葬儀信託のデメリットは?メリットと併せて知る活用のコツ

葬儀信託とは、自分が亡くなったときに備えて、生前に葬儀費用をあらかじめ信託しておく仕組みです。近年では、高齢化や単身世帯の増加にともない、本人が希望する葬儀を確実に実現する手段として注目されています。ただし、葬儀信託にはメリットとデメリットの両面があるため、仕組みをよく理解して活用することが大切です。

まず大きなメリットとして挙げられるのが、「費用を事前に確保できる安心感」です。本人が亡くなると銀行口座が凍結され、遺族がすぐに葬儀費用を用意できないケースもあります。しかし葬儀信託を利用すれば、信託した資金があらかじめ指定された葬儀会社に支払われるため、手続きがスムーズに進みます。

また、生前に葬儀の内容を自分で決めておける点もメリットです。例えば、「家族葬にしたい」「派手な演出は避けたい」など、本人の希望を事前に契約書に明記することで、遺族の判断や意見の相違によるトラブルも防ぐことができます。さらに、費用面も事前に確定しているので、後から高額な請求がくるといった心配も少なくなります。

一方で、デメリットも存在します。代表的なのは、「資金の自由度が制限される」ことです。葬儀信託に預けた資金は原則として葬儀にしか使えず、たとえば介護費用や入院費など、他の緊急支出に充てることができません。特に高齢者にとっては、将来の生活にどれくらいお金がかかるか不透明な部分もあるため、柔軟性に欠ける面は否定できません。

さらに、「中途解約時の返金に制限がある」ことも注意すべき点です。契約内容によっては、信託手数料が差し引かれることや、契約期間によっては返金が受けられないこともあります。たとえば、「やっぱり別の葬儀プランに変更したい」と思っても、思ったように資金を動かせない可能性があるのです。

加えて、契約先となる金融機関や提携葬儀社の信頼性の確認も不可欠です。倒産などのリスクがゼロではないため、サービスを選ぶ際は、運営実績や契約内容の保障制度などもきちんと確認しておくことが安心につながります。

葬儀信託は、生前に葬儀費用を確保し、希望する内容を契約で明確にできる制度で、遺族の経済的・心理的な負担を軽減できるメリットがあります。一方で、資金の用途が限定されることや、解約時の返金制限、信託先の信頼性など注意すべき点も。契約前に内容を十分に理解し、自分のライフプランに合った方法かどうかを慎重に見極めることが大切です。